100人のプロの13人目からのエール‼️
「家づくりのプロ」Iさんの展示場に行くといつも美味しいお茶を出して下さいます。そのお茶が美味しくて…
お茶を淹れて下さる方に「岐阜県のお茶」だと教えて頂きました。
美味しいお茶を求めて岐阜県へ。
辿り着いたのは「東白川」にある道の駅。
お店に入ろうとした時に…出会ってしまいました。
「東濃ヒノキのベンチ」
白川が大工の町と言われるくらいですから、やはり工芸品もとても魅力的なものばかり。
ヒノキなので重厚感があり、座り心地も最高でした。
価格も私の地元では考えられないもので、大変有り難いです。
買って帰り家に置くと、とても素敵でついつい眺めてしまう今日この頃。
欲というのは恐ろしいものでして…
図々しくも、
「ベンチをつくって下さっている方に棚をつくって頂けないだろうか」
そんな気持ちになってしまい、ダメもとで道の駅に連絡を。
店員さんが尋ねてくださるとのことで…
しばらくすると、折り返しの電話が…
「寸法が分かるものをファックスして欲しいとのことでした」
なんと!有り難いことでしょうか。
私たちの図々しい要望に応えて下さいました。
翌週、引き取りに行く時にお会いすることができました。
「重くなってるから、車に積んであげる」
と言うことで私たちが来るのを待ってて下さいました。
図々しいついでにインタビューのお願いをすると、これまた快く引き受けて下さいました。
「家具づくりのプロ」Yさんにじっくりとお話を伺いました。
◯子どもの頃の夢
手に職という意味で「大工」だったそうです。
自分の手で自分の家を建てたい!そう考えていたそうですが、26歳の時にその目標を実現していきます。
ご年齢は伺いませんでしたが、色々なお話の中で出てきた数字を計算すると…
もうすぐ80歳なのではないか!?というご年齢でした。
棚を車に入れて頂く時、かなりの重さはあったと思うのですが、お一人でヒョット持ち上げた様子を思い出すと…
「まさか〜」
というのが私の素直な印象です。もっとお若く、私よりも力があるような雰囲気でした。
多分…腕相撲をしたら負けてしまうかも知れません。
◯今の仕事に就いたきっかけ
大工の定年を迎えたのですが、しばらくは続けていたそうです。
しかし、勤め先の会社が傾き倒産。
家ではお米やニンニクやさまざまな物を育てていたのですが、手先の器用さを生かし機材を買って木工製品をつくることに。
その木工製品が「ふるさと納税」の返礼品となり、1日に50台から70台の生産をしなくてはいけないくらいまでに大盛況となりました。
そんな日々が2〜3年続いたそうです。
その後に道の駅に作品を置くようになっていったそうです。
Yさんのつくるベンチは、ただ木がくっ付けてあるのではなく、座る人が安全に、そして安心して座れるようにと、こだわりが感じられます。
ベンチの下の部分の支えが補強のために施してあるのですが、そこが可愛くて一工夫されていて私が一目惚れをしたところでした。
今は、私たちみたいに道の駅で知って…という問い合わせがちょこちょこあるみたいで…
私たちの図々しいお願いをサラッとフォローして下さいました。
インターネットが普及し、何でも手に入り、どんなに離れていても自分の手元に届く時代になっていますが、「道の駅」の可能性を強く感じました。
YさんはInstagramもTwitterも公式にはやられていない様子でした。
Yさんのような生産者の方と関われる手段は、もしかしたらインターネットでは不可能であって、「道の駅」では可能なことなのかも知れません。
「ネットが使えなければ、今の商売は〜」なんて思ってしまいますが、実際に出向くからこその付加価値を知れたような感じがしました。
◯今、自由に選べるとしたら何の仕事をしてみたいか
「一口には言えないね」
お話を聞いた時は、「ない」と解釈をしていたのですが…
「一口には言えない」というのは、「数多(あまた)にも広がる」ということを意味しているのかも知れません。
畑のお仕事がお忙しいそうです。
「自然薯」や「こんにゃく」などをつくられているそうで、時々「道の駅」にも置いてるとのことでした。
Yさんの所では「鴨」「猪」「狸」が畑の作物を食べてしまうので、Yさんが柵をつくったりしながら自然と共存している様子を伺うことができました。
花もすぐに食べられてしまうそうです。
所が変われば、対策することも異なっていく…
Yさんは、まさにやることが沢山あり「一口」では語れないかも知れませんね。
◯落ち込んだ時、どう乗り切るか
「ない」
そんなふうにおっしゃっていました。
忙しくて落ち込んでいる時間がないほどにやらなくてはいけないことが多いそうです。
確かに畑作業をしている時に、「また明日の作業で〜」なんて後回しにしてしまっていたら、動物に食べられてしまうかも知れませんし、天候の変化で作業ができなくなってしまうかも知れません。
しかしながらお話を伺っていて、落ち込まない秘訣は他にもあるのではないかなぁと感じました。
それはご夫婦の関係です。
とっても仲が良く、お互いのことを尊重しているのが伝わってきました。相手の言うことを否定せず、まず受け入れていました。
奥様は、結婚当初にある方にこんな言葉を頂いたそうです。
「大工の妻は朝をスッキリして出したらないかんよ」
奥様は胸を張って
「このことはずっと守り続けてきた言葉です」
と教えて下さいました。
奥様の支えに感謝するYさんと、Yさんの無事を祈る奥様の互いを思い合う関係性が、どんな出来事も乗り越える力となっているように感じました。
◯発達個性を持った子どもたちへのエール
「陰ながら応援している」
身近に障害を乗り越えた方がいらっしゃったそうです。
その方のお話をする時、決して悲観することなく本人の頑張る姿を笑顔で話してくれました。
Yさんたちは、本人の頑張る「意志」が困難を乗り越える時に必要な「力」になることを良くご存知なのだと思います。
「できない」ことを嘆いてばかりいればどんなに周りが協力しても、実っていくものは少なくなってしまいます。
それは障害の「ある」「なし」に関わらずなのかも知れませんね。
道の駅の駐車場で話し始めてしまった私たちに対して、どんな質問にも丁寧に答えて下さったのは、子どもたちのためになるならと「応援」して下さっているからだと思います。
◯インタビューをして
Yさんがつくるベンチの高さはちょうど良い。
誰が座っても座りやすい高さで広さです。
高過ぎず、低過ぎず…広過ぎず、狭過ぎず…
しかしそのベンチに座って見える景色は人それぞれ。
どの景色もかけがえの無い大切な景色。
人によって「良い」と思えることも人それぞれですが、「良いもの」は「良い」。
心を込めてつくって下さった家具たちは、そんなことを私に教えてくれているように感じました。
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