100人のプロの7人目からのエール‼️
プロの方100人へのインタビュー。なかなかインタビューをする前は緊張するものです。
「どんなお話を伺えるのかなぁ」とワクワクする気持ちはもちろんあります。
私は、1週間前からドキドキしておりました。
今回は、初の愛知県を飛び出してのインタビュー。
心の筋トレ部の談話室をつくって下さった「大工のプロ」のTさんにお話を伺います。
Tさんとは、約1年振りの再会になります。
Tさんは建築中でも、現場の見学に行った際には丁寧に説明をしてくれました。失礼ながらも「腕の魅せどころとなるところはどこですか?」と尋ねると、「ここのこう言う作業なんですよ〜」と教えてくださいました。
Tさんとの会話はとても楽しいので、いつも邪魔ばかりしていたことを、今になって反省しております。その一方で、貴重な時間だったなぁと噛み締めてもいます。
今回はインタビューだけでなく、Tさんが23歳の頃にご自身で建てたお家にお邪魔させて頂けることも含めて、非常に楽しみでした。
Tさんのお家は、もちろんステキでした。立地する環境もお庭も。
その一つ一つをここに記そうと思ったのですが、膨大なページになってしまうことを予想して、インタビューのことに集中したいと思います。
技も心もプロフェッショナルなTさんとの時間です。
◯子どもの頃の夢
「動くものに興味があった」
今でも、「ランボルギーニ」を手に入れることを目標に頑張っているとおっしゃっているように、自動車や重機を動かすことに憧れがあったみたいです。
お父様も同じ大工のお仕事をされていたので、てっきり昔から「夢は大工!」と思っていたのですが…
お父様がやられていることで大工の大変さも直に見ることがあり、大工になると言う気持ちは一切なかったと言います。
◯今の仕事に就いたきっかけ
「お父さんの存在」
小学2年生の時にとても厳しい学校の先生がいたみたいで、それが嫌で学校に行かなかった時期がありました。
中学生の頃には、勉強が難しく「授業についていけない」と感じ学校への足が遠のいていきました。Tさんはご自身のことを「不登校」とおっしゃいました。
卒業した後、何気ない気持ちでお父さんの元で大工になりました。
お父さんが特に「大工になりなさい!」と言っていたわけではなかったのですが、小さな頃から手先が器用だったことも「大工」への道へとつながっていったのだと思います。
以前、あるハウスメーカーの本社に見学に伺った際、「技能五輪の試験問題を見て、イメージがつくれるのはTさんくらいです」と言われました。
技能五輪の試験問題はとても難解で、指示もほとんど書かれていないため、独立して立派な大工になってもイメージできない方は多くいると言います。
Tさんは取り敢えず大工になったのではなく「大工に向いていたから大工になった」のだと思います。自分の得意とすることを見極めて、それ打ち込んだ結果、誰もが認める大工になりました。
大工は数学的な知識や物理的な知識を必要とします。「不登校」だったTさんは大工で必要な知識だと知ると、友人に一から教えてもらいます。
Tさんの名刺を見ると簡単には取得できない資格がいくつか書かれていました。
この資格も「名刺に沢山載っていたらかっこいいかなぁと思って」という気持ちで勉強されたみたいですが、大工の仕事は月曜日から土曜日まであって朝から晩まです。
日曜日には資格取得のために学校へ行き、そこで出される課題もこなしていきます。課題は簡単なものではないので、平日の仕事が終わってからも取り掛かり、夜中までかかっていました。合間には数学や物理を友人に教えてもらっていたそうです。
中学生頃までなかった活力が、卒業するくらいに湧いてきたと実感していました。
その頃から「常に前へ!上へ上へ!自分が一番に!」と言う自分を鼓舞するエネルギーがあったそうです。
今もなお、「このままではいけないんです」と言って、色々なことを考えて行動されています。私たち自身、エネルギーを頂きました。
◯今、自由に選べるとしたら何の仕事をしてみたいか
「一番苦手なんだけど…ITの仕事です」
自分自身の枠を決めない方です。
これが苦手だからこれは範囲外!とかではなく、できないことを敢えて挑戦しようとする姿があります。苦手なことも一つの可能性と考えていて、楽しみにしている様子でした。
今でも友人のお誘いから、新しい建築に関して勉強されているみたいです。
すでに大工として立派に成功されているから、目の前の仕事だけでも充分だと思ってしまうのですが、常に挑戦し続ける姿にさすがだなぁと感じざるを得ません。
「常に攻めなきゃダメです」とおっしゃった言葉がとても印象的でした。
確立している自分のキャリアに満足することなく、いつでも吸収できるものは吸収しようとする好奇心がヒシヒシと伝わってきました。
◯落ち込んだ時、どう乗り切るか
「寝る」「遊びに行く」「ライブを観に行く」「モチベーションを上げるための目標を決める」
物事に関して考え込むタイプみたいですが、それを吹っ切るためにライブで思いっきり叫んだり、遊びにいったり。
モチベーションを上げる今の目標が「ランボルギーニ」を手に入れることでした。「4,000万円以上するランボルギーニを運転したい」とおっしゃっていました。
しかし、これに到達するためには時間がかかるため、目標までの間に細かな目標や楽しみをいくつかつくっておくみたいです。例えば、この仕事が終わったらライブに行くぞ!と言うようなものです。目標を追い求めるまでに、気持ちが薄れないようにすることがいつまでも目標を抱き続ける方法だそうです。
自分をやる気にさせることは意外と難しかったりします。しかしTさんは、ご自分の性格をよく理解し、どうしたらやる気が出るのか!?それを知っていました。
私自身、「〇〇kg痩せるぞ!」と大きな目標を立ててそこにいくまでに時間がかかりすぎ、結局失敗に終わることが多々あります。
自分をやる気にさせるということが一番重要なことなのかも知れません。
◯発達個性を持った子どもたちへのエール
「一個に集中したことをずっと続ければいい。
それが強みになる。
みんなと一緒になろうとしなくていい。
あなたたちは、絶対に!伸びる」
力強いお言葉を頂きました。
とっても嬉しかったです。
「一緒になるな」 「そっちの方が絶対に面白い」
学校現場の多くは、どうしても「みんなと一緒」と言うことを望んでしまいます。もちろん、「みんなと一緒」で大切なこともあります。しかし、個性を統一させようとすることはもったいない話です。
個性を持っていた方が「絶対に面白い」。一人一人に絶対個性がありますし、その個性が成長していけば、揺るぎない自分になっていきます。そして、それが他人の個性も尊重する精神へとなっていきます。
◯インタビューをして
私たちが帰る時にお土産を持たせて下さいました。地元の有名なお菓子です。とっても美味しかったのですが、何より嬉しかったことが私たちへの思いやりの心です。
「こんな話でよかったですか?」
最後の最後まで心の温かいステキな方だなぁと思いました。
もちろんのことですが、充分に有り難いお話を伺えました。
Tさんは終始、温かい雰囲気でお話をして下さいましたが…
「絶対に負けたくない!」と言う想いを持ち続ける熱い方です。
そして同時に、学ぶべき時には周りからの支援を拒むのではなく、とことん学ぶと言う姿勢です。
よく「友人に助けられました」
と友人や周りの人に感謝する言葉を口にしていました。
そういったところも魅力の一つで、周りからの信頼・信用につながっているのだと思いました。
不登校についての話の際、
「大丈夫!絶対に本人から『そろそろ頑張るかッ』という思いに自然となるから」
そう言ってくれました。
心理学的にも言われています。不登校の期間は自分探しをしている期間だと。
自分を客観的に見つめ、自分の持ち味を最大限に発揮する方法を知っているTさんは、まさにプロフェッショナルです。
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