100人のプロの三人目からのエール‼️

3人目のプロフェッショナルな方は常滑焼の作家さんとお客さんの架け橋をしてくださっているSさん。

心の筋トレ部の活動をいつも応援して頂いていたのですが、今回Sさんの想いをじっくり聞かせて頂くのは初めてでした。

お忙しいタイミングにも関わらず、快く受け入れて下さったことに本当に感謝です。

常滑焼も時代の変化に伴い、大量生産から変わってきました。高度経済成長期の頃の方にとっては、「今、陶芸をやるなんて…大変だね」と言われるらしいのですが、現代の陶芸家の方々は「暮らしの為のものづくり」を心掛けておられるという事です。

「暮らしの為のものづくり」というのは、お客さんがその作品を日常で使用する時に、「使いやすい」であったり、「使いたくなる」という思いになるような作品の制作を目指しているのです。

だから…「大変」ではなく「より自由」になったという現代なんです。

まさに個性の時代ですね〜。

「目利きのプロ」であるSさんにお話を伺いました。

◯子どもの頃の夢

私の名刺をみて、「憧れです」と言ってくださいました。

心理学に大変興味があるみたいで、私の肩書きの「公認心理師」について色々と尋ねてくださいました。

なので、てっきり「心理学者なのかなぁ」と思っていたのですが、子どもの頃の夢は「建築関係」でした。

「ものづくり」という分野からすると、今のお仕事と近いのかなぁとも思いますが、建築関係を諦めたのは、先生の一言だったそうです。

「建築関係ならもうちょっと頑張らないといかんよ」

大人になって「先生の言葉は『頑張れ』という意味だった」と理解できたそうですが、教師である私たちは、言葉に責任を持たなくてはいけないと再度強く感じました。

(Sさんは目利きのプロとしてお仕事をされているので、結果的には良かったのかも知れませんが。)

◯今の仕事に就いたきっかけ

学生時代に「生きづらい」という思いになったそうです。

「生きづらくないですか?」

と尋ねられた時、ドキッとしました。確かにこだわりを持てば持つほど、信念があればあるほどに、衝突が起きトラブルが起きます。

もっと周りと合わせられたら楽なのになぁと感じたこともありました。

しかし、そこまで私自身物事を深くは考えてきていませんでした。

ちゃんと物事を一つ一つを丁寧に考えていらっしゃる方にとっては「生きづらさ」を感じる事も多々あると思います。

「生きづらい」という思いから挑戦する気持ちへと変化していき、自分を変えるために上京しました。

しかし…東京は想像していたものとは違っていたそうです。

その後地元に戻り、家業であった陶芸関係のお仕事のお手伝いをするようになっていきます。

Sさんは言います。

「もし実家がお米屋さんなら、お米を今売っていると思います。きっとそれくらいの気持ちだったんですよ」

そうご謙遜されていましたが…

実家のお仕事はいい面も見ているし、悪い面も見ています。子どもの頃から見続けていることだからこそ、家業を選ぶというのは、その両面を知った上で選ぶわけで、強い思いがなければ継ぐことはできないと思います。

そんなある日のことです。

ある作家さんが、Sさんをご自分の仲間たちに紹介されたそうです。

作家さんたちの作品に込めている想いを直接聞き、「ハッ」となったそうです。

今までは、陶芸作品を「商品」としてしか見ていなかったのですが、作家さんたち想いによって同じものでも違って見えてきたというのです。

自分の「商品」への向き合い方が変わり「作品」としての姿に変化していったそうです。

どんな気持ちで、どんな願いでつくられたのか!?

作品たちの「物語」をお客さんが知ることで、お客さん自身が今まで以上の価値を見出すことができるのではないかと感じていきました。

それが今のお店のスタイルとなっていきました。

私も以前、こちらでコップを購入させて頂いたことがあります。

「これがいい!」と一目惚れしたものについて、つくられた背景も教えてもらいました。その背景を知った上で飲むコーヒーは、格別だったことを覚えています。

◯今、自由に選べるとしたら何の仕事をしてみたいか

・臨床心理士

・大学教授

・今の仕事も含めて色々

今も充分にプロとしてお仕事されているのに、常に学ぼうとする姿があります。興味があるから心理学も学んでみようと思い、勉強されていたり…

実際にその学んだ心理学の知識も、コミュニケーションを円滑にするために活用されたりしています。色々な学びが、今の自分を助けていくのだと教えて頂いた気がします。

◯落ち込んだ時、どう乗り切るか

様々な方法がありました。

・楽しそうに仕事をしている人に触れる

 最初聞いた時に、どんな仕事に触れるのだろうか!?と思っていたのですが、Sさんのお話では、陶芸家でも、大工さんでも、接客業のお店の人でも、意識して周りを見渡せば、自分の仕事に楽しさを見い出して素敵な仕事をしている大人がたくさんいることに気づくことができるそうです。やりたいことを仕事にしている人も素敵ですが、今就いている仕事に楽しさを見い出した方の仕事をする姿を見ると元気がもらえますね。

・自分の味方になってくれる人との会話

 話すことはやはり重要ですね。話すことでまた自分を見つめ直し、自分自身を客観的にみることができます。そして、味方になってくれる人なら、自分の本音を言えるので、安心してお話ができると思います。

・毎日のハードルを下げる

 これはSさんのご友人が言っていた言葉なので、Sさん自身も意識されていることだそうです。完璧を求め過ぎると、「減点思考」となり、100点が取れなければ0点かのように感じてしまうこともあります。しかし、できていないことはあったかも知れないけど、できたことに目を向けるとどうなるのか!?一つでもできたことがあれば加算されていくのだから、0点ではないはずです。自分への評価が加算されていく一方というのは、とてもステキなことだと思いました。まずは自分で自分を認めることがポイントなんですね。

◯発達個性を持った子どもたちへのエール

「どんな時も自分自身の良き理解者であって下さい」

常に自分自身と向き合ってきたSさんだからこその言葉だと思います。

「誰かに認められる為ではなく、自身が目指す価値観を大切にしてほしいです」

このようにも仰っていました。

「理解者」ではなく「良き理解者」。

時には叱咤激励をしながら、自分をやる気にさせたり、休ませたり…

ただ肯定するだけではないのが「良き理解者」のように感じました。

◯インタビューをして

私が接してきた子どもたちの多くは、人間関係で悩んでいたりします。それは学校現場で

「好きな子とペアを組んでください」

「友だちを作りましょう」

「独りぼっちにならないように皆さんで協力してグループを作りましょう」

そんな言葉が子どもたちの悩みの種になっていることも少なからずあるのだと思います。そう言われた時に、ペアやグループを作ることができなかった場合、友だちがいない場合に「ダメな子」と言わんばかりの雰囲気。

友だちがいないことが問題なのか!?

グループが作れないことが問題なのか!?

狭い環境の中で気の合う子を探し、価値観も分からない状態で、信頼し合いなさいと言われることは、社会に出た時に実際あるのか!?と言われると「ない」のではないのではないでしょうか。

徐々にペアやグループを作る際には先生方が事前に決め、教育的な配慮をするようにはなってきています。

教育的な配慮というのは、独りぼっちにさせないために〜とかではなく、得意分野が被っていたり、逆に補い合えるように得意分野が異なる子たちで構成したグループを作るといった配慮です。

Sさんは「独り」というのは悪いことではないとおっしゃっていました。

独りということは、周りに染まっていないということで、自由な発想をしている証拠。

そして、好きな分野に没頭していけばいくほど、独りになっていくかも知れませんが、極めれば仲間ができます。同じ価値観を持った仲間ができます。今、無理に合わせようとしなくてもいいんです。「独り」というのは「パイオニア(開拓者)」です!

川が流れるのと同じように、同じ場所であっても、同じ景色であっても、そこに流れる水は全く同じものではありません。

それが時代の変化なのでしょう。

私たち大人が、景色のように変わらず子どもたちを見護り続けたい!そんな思いになった時間を過ごさせていただきました。


心の筋トレ部

教員であり公認心理師である片野とさとぶーが「心の筋トレ」を実務で実践させていただいています✨皆さんの自己免疫力💪を上げ‼️予病に貢献できるよう、情報発信していきます✨

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