100人のプロの32人目のプロ‼️
もうすぐ冬が到来です。
ちょっと気が早いかもしれませんが…
私は春の「桜」が大好きです。
ポツポツと咲き始めると、
「そろそろお花見の時期かぁ」
と特に予定もないのに何故かワクワク。
八部咲にもなりますと、なんだか焦る気持ちになって
「早く観にいかなきゃ」
となります。
桜の魅力とはなんでしょうか?
人それぞれとは思いますが、私は「桜」の潔さが好きです。
パッと咲いて、人が「もう少し見ていたい」と思っていてもすぐさま散っていく。
そんな「桜」に魅力を感じます。
潔さの美しさと言えば夜空にパッと花を咲かせる
「花火」
があります。
「ドーン」という地を鳴らす音は、私の高鳴る鼓動と共に胸に響き、これまた
「早く観なきゃ」
そんな焦る気持ちに。
本日のプロは「花火のプロ」Kさん。
江戸時代から続く日本の伝統である花火。
「明日への活力を」
その言葉を胸に、こだわりを持って花火を打ち上げるKさんと出会いました。
◯子どもの頃の夢
「特にない」
家業が花火の会社だったのですが、手伝う事はあってもなかなか
「継ぐ!」
という決心には至らなかったそうです。
また、社長だったお父様と仲良く過ごしてきた訳ではなかったので、よりその思いは離れていたのかもしてません。
◯今の仕事に就いたきっかけ
「花火の時の歓声」
就職は建築関係の会社。
家業ではなく、一般企業へ。
しかしながら、その就職について振り返ると、職選びにおいて真剣ではなかったそうです。
まるでアルバイトに就くという感覚。
何かやりたい!というわけではなく、面接を受けた一つがたまたまそこだったという就職。
仕事の内容は経理部。
特に誰かから感謝されるわけでも、感動されるわけでもなく…
そこにKさんはやりがいを感じることができないでいました。
お給料をもらうとは、そういう事。
「楽しい」「嬉しい」と自分の感情を揺さぶるものは、趣味などの世界で感じる事なのかもしれません。
お祭りの季節。
お祭りといえば出店(でみせ)であったり、打ち上げ花火であったり…
そういう時はKさんのご実家はとても忙しくなってきます。
Kさんも手伝いに。
今の仕事に魅力を感じていなかったKさんが、家業に触れていきます。
外から見る家業。
今まで気づくことができなかった当たり前に、意識が向いてきます。
「生活が成り立つか!?」
そんな現実的な思考が盛り上がるKさんの気持ちを抑えます。
家業は「手伝い」の範囲。「好きなこと」と言う範囲。
仕事になればまた変わってしまうかもしれません。
準備した花火たちをセットします。
あたりは花火を打ち上げるにはちょうどいい暗さに。
ヒュ〜〜〜
…
ド〜ン
…
…
わぁ。
花火が打ち上がり、それと同時に観ている人の心が、言葉になる前にもれます。
「わぁ」と。
老若男女問わず、同じタイミングで。
「Kさん。いい花火をありがとう」
そう表現する人はいません。
誰かから改めて感謝されるわけではありません。
しかし、その「わぁ」という言葉にモヤモヤしていた自分の心は晴れていきます。
花火を観て喜んでくれている人たちに喜びを感じ、家業を継ぎたいと決心します。
Kさんは、
「自分の、人とは違うという所を『個性』と捉えることができているのは、今の仕事に出会えているからだと思います。
この立場がなかったら、全然違うことを考えていたと思います。」
Kさんにとって家業が心の居場所になっていました。
◯今、自由に選べるとしたら何の仕事をしてみたいか
「地主」
「土地を貸して生きていきたい」というKさんは、責任者の立場だからこそ時には意に反した発言をする必要があります。
それによって、嫌な思いをする人が出てくるかもしれません。
そうした中で誰も傷つけないであろう地主に、憧れの気持ちを抱いていました。
以前、才能のある従業員がKさんの所で働いていました。
大切な従業員の方です。
ある時その方が元となって、大きなトラブルへと発展してしまう危険性のある事態が発生してしまいました。
もし経営者でなければ「そっか〜」と流せることも、そうはいかないケースもあります。
会社を守るため、他の従業員を守るために大切なこと。
注意されたことは理解していても、どうしても改善できないということで自主退職。
「その子を活かしきれなかった」
しばらく前の話だったこのエピソード。
でも未だにその方のことを考えるKさん。
だから地主。
とっても優しいKさんです。
◯落ち込んだ時、どう乗り切るか
「寝る」
落ち込みやすい性格だそうです。
しっかり物事を考え、一つ一つに丁寧に、真剣に向き合っていらっしゃいます。
日にち薬。
そう思い、たくさん寝て。
考えても「どうしようもない」ことは忘れていくようにしていくそうです。
◯発達個性を持った子どもたちへのエール
「嫌なことはやらんでいい。
まずは好きなことを。
大人になれば逃げ道は沢山ある」
自身も発達症の診断を受けていらっしゃいました。
薬も服用しています。
診断は大人になってからで…。
診断を受けるため受診することになったきっかけは…
「奥様との会話をほとんど覚えていない。」
と言うことでした。
それは…最終的に離婚の危機を迎えてしまっていました。
あまりに覚えていないため最初は、
「アルツハイマー?」
と疑って病院へ。
するとお医者さんから
「心療内科へ」
想像もつかなかった展開でしたが、受診していきます。
診断は
「AD/HD」
でした。
明るく話すKさんに「奥様はなんて?」と慎重に尋ねたところ…
「妻が優しくなりました」
と笑いながら教えて下さいました。
続けて
「今も薬を服用しているけど、薬を飲むと冴えるから『こりゃあいい』って思っています」
Kさんの生活で変わった点といえばそれぐらい。
どう捉えるか!?
自分の捉え方一つで自分の人生を追い風を起こすことだってできる。
個性を武器に。
◯インタビューをして
自分に期待もせず、ただ自分自身に諦めている子どもがいます。
どれだけの経験をして来ているのか!?
何を知ったつもりになっているのか!?
自分自身と向き合うことを避け、
「できていないこと」
を
「できること」
へと変える努力をせず、ただ
「やらなくてもいい」
という理由を
「環境」
や
「他人」
のせいにしてみたりして。
自分のどんな可能性を秘めているのかを知ろうともせずに。
Kさんは最後におっしゃいました。
「勉強できなくても根性がある奴には敵わない、何度でも向かってくるから」
もしかしたら、自分に諦めている子どもたちに足りていないのは
「環境」
でも
「他人の援助」
でもなく、
自分自身の「根性」なのかもしれません。
何かをやろうと思ったことを一度、最後までやり抜いてみたら…。
「やろう」と思うものが見つからなければ、「やろう」と思えるものを見るけることをやり抜いてみて下さい。
あなたの人生は何度だって花開きます。
何度だって打ち上がります。
花が花開くには、しっかり根っこに栄養を蓄えなければキレイな花は咲きません。
打ち上げ花火は、あの一瞬の輝きに一つ一つの手間のかかる準備が必要です。
何もしなければ、何も咲きません。
何も打ち上がりません。
あなたはどんな人生の花火を打ち上げたいですか?
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