100人のプロの40人目のプロ‼️
「養蜂のプロ」Sさんにインタビューをさせて頂きました。
Sさんの養蜂では抗生物質を使用しないため、蜜蜂にとっても、私たちにとっても身体にいいハチミツが生まれます。
インタビューに伺った際、Sさんのお母様が大根をカゴに入れていました。
笑顔で迎え入れて下さり、緊張していた私たちの心を緩めて下さいました。
「よくきたね」
と言わんばかりのワンちゃんと
「こちらですよ」
と教えてくれている猫ちゃんに、私たちの緊張はさらにほぐされます。
のどかでステキな場所です。
この景色と調和するハチミツ屋さんの玄関。
お店のコーディネートはSさんの奥様が。
猫ちゃんに案内され店内に入ると、穏やかな雰囲気がすぐに伝わります。
インタビュー後、Sさんのハチミツや世界最古のお酒と言われている「ミード」も頂きました。
糖質ダイエットをしている私は、なかなかハチミツを食べる機会がないのですが…
せっかくの機会。
今日食べたものは明日の運動でカバーしよう。
トースターで温め、表面がきつね色になったパンと一緒に。
お酒は少しだけ。
せっかくですから。
「ミード」はとても美味しく、ついついおかわりをしてしまいました。
明日の体重計はきっと…
恐る恐る乗ることになると思いながらの次の日。
体重は、減っていました。
「あれ〜」
となりながら、別の機会にも「せっかくだから」とミードを飲みました。
「これを飲むと次の日痩せてるんだよね」
と正月太りをした私の個人的で、勝手なおまじないをしながらの次の日。
体重はまたまた減っていました。
大きく減少した訳ではないのですが、「あれ!?」と言うのが正直な感想。
身体の調子はとてもいい。
ハチミツは「体に良い」と言うことは知っていたのですが、私はまだまだ知りませんでした。
糖質はティースプーン1杯で5gだと言うこと。
「夜間低血糖」を起こさないためにハチミツの糖はバランスがいいと言うこと。
知った気になってたことに気付かされます。
昔から身近なのに、よく知らない。
そんなハチミツ。
当たり前に感じていたもの。
少し意識を向けると当たり前じゃないことに気づきます。
「養蜂のプロ」Sさんと奥様のお話です。
◯子どもの頃の夢
「何も考えていなかった」
色々なことに興味はあったそうで、今もなお興味を持って取り組んでいることもあるそうです。
しかし、はっきりとしたビジョンを描いて
「これを将来のために」
とはやっていなかったそうです。
興味のあることに真っ直ぐだったのかもしれません。
先日、あるプロスポーツ選手が
「子どもの頃から目標を持って頑張っていました」
と取材に答えていらっしゃいました。
多くのスポーツ選手は、小学生になる前から取り組んでいるイメージがあります。
それを参考にしているのか!?
学校では
「子どもの頃から目標をもつ必要がある」
と認識している方が多いように思います。
しかし…プロの方々の多くは人生を歩んでいく中で、目標が定まっていっているように思います。
様々な経験が、自分を理解させるのかもしれません。
◯今の仕事に就いたきっかけ
「当たり前が当たり前じゃなくなった」
「子どもたちのために天然のハチミツを」
Sさんのお父様はこの想いで本職とは別で、趣味としてやられていました。
量も多くできていた訳ではないので、知り合いや近くの方が求めにくると言った感じ。
多く搾れた時には、近くの道の駅に置くこともあったとか。
Sさんにとって、「ハチミツ」は特別なものではありませんでした。
特に「家業」を意識することなく、就職は建築関係へ。
経験を積み現場監督として勤務。
職場では奥様と出会い、公私ともに順調です。
ところが…
30歳を手前にお父様の体調が悪くなってしまいました。
負担が大きなことは極力減らし、やれることに絞っていきます。
…
その結果、養蜂をやめるしかなくなってしまいます。
養蜂は「ハチミツ」を作るためだけではなく、作物の受粉を促すことが中心だったりします。
作物の開花の時期には農家の方が蜜蜂を借りたり、買ったりします。
受粉をすることで農作物は実り、収穫を行うことができ、次年度への備えをすることができます。
受粉を促した際の副産物が「ハチミツ」です。
あの蜜は蜂にとっては働くための栄養源。
蜂が冬越えをするための保存食。
自然の流れに私たちが上手く「共存」という形で入っている状態です。
Sさんはお父様のことをきっかけに、人生の時の流れの中で一度、立ち止まります。
自分について考えます。
当たり前に感じていたことが当たり前でなくなった瞬間。
立ち止まるからこそ見えてくる世界がありました。
職場で起きた理不尽な出来事に耐えている自分がいました。
自分に問いかけます。
「自分のやっていきたいことは何なのか」
悩みます。
無責任に即決するわけにはいきません。
Sさんには自分が支えていかなければいけない家族がいます。
守るべき家族。
お父様が趣味でやられていたことを本職とし、ちゃんと収益を出していかなくてはいけません。
1ヶ月間考え、奥様に相談します。
奥様は、やらないための不安を並べませんでした。
むしろSさんの全てを理解し、背中を押します。
「養蜂家」としてのSさんの人生が動き出します。
建築業で培った一つ一つを組み立ていくという思考は、養蜂業に生かされていきます。
お店を開けていても最初はよくて3人。
生活費を生み出すことは難しい状態。
養蜂業として軌道に乗るまで設計士として奥様が稼いでいきます。
続けて、続けて…
それが力となって、形となって。
「子どもたちに天然のハチミツを」という理念は守り続け。
それが「健康志向」と言う時代にマッチしていきます。
イベントに呼ばれ、そこで知り合った人たちとの縁がつながっていき…
気づけば15年。
ご夫婦にお話を尋ねている際、どちらも「自分が〜」という表現をしませんでした。
奥様はSさんの頑張る姿に。
Sさんは奥様の温かさに。
互いに感謝をし、互いを立てる姿が、お店の「穏やかな雰囲気」をつくりだしているのかもしれません。
◯今、自由に選べるとしたら何の仕事をしてみたいか
「変わりたくない」
Sさんにとって、今の養蜂の形はゴールではありません。
まだやれることがあって…
まだやりたいと思うことがあるそうです。
10年前の蜂が姿を消したと騒がれた時、Sさんの所では大きな被害を出さずに済みました。
常に考えて常に気持ちを向けているから、被害を抑えることができました。
ハチミツは「生き物」なのだと、改めて感じさせられます。
◯落ち込んだ時、どう乗り切るか
「プラモデル」
落ち込むことは少ないそうです。
でもガス抜きでお酒を飲みに行くことも。
しかし…奥様から見てSさんは、毎日と言っていいほどに好きなプラモデルを組み立ているとか。
それが気分転換。
自分では気づかないうちにストレスを発散させることができている様子でした。
奥様は、ウォーキングをするとか。
少し歩けば山がある。
そんな環境下で気持ちはスッキリです。
◯発達個性を持った子どもたちへのエール
「好きなこと頑張ってやる。
嫌なことをイヤイヤやっていても身につかない。
社会はもっと自由」
プロの警戒心が「溶けた」瞬間、喜びを感じます。
そこに強い気持ちのエールが込められているからです。
Sさんご夫妻のその瞬間は…この質問をした時だと思います。
もちろん、親身に今までの質問にも答えて下さっています。
しかし、子どもたちへのエールは特別なものを感じました。
理解されず自分に希望を見出せずにいる子どもたちは、たとえ小さくとも
「生きる」
を考えます。
社会は目まぐるしく変化している中、教師が教育の基準にしているのは、自分が受けてきた教育ではないでしょうか。
変えてはいけないもの…例えば制服。
時代遅れと学校が率先して校則を変えていく所も出てきています。
制服は子どもたちを守るためのものですが、それを伝えられている学校は少なく感じます。
子どもたちの個性を縛っているものは何か!?
しっかり見極め、それを解いていけたら…
子どもたちの可能性は広がっていきます。
そんな思いになったエールでした。
◯インタビューをして
よく「人は一人では生きていけない」と言われます。
「助け合って生きていきましょう」という言葉のために使われる言葉ですが…
その助け合いは「人」とは限らないのかもしれません。
人は多くのものに支えられ、生きていきます。
蜜蜂のつくり出すハチミツは、私たちを健康体へと近づけます。
摂らなくても生けてはいけます。
ただ自分がどう生きていきたいか!?
ハチミツの効能を知った私は、
食べない!
と言う選択はできません。
何気なくそばにあったものが、知ることで価値を見出します。
もしかしたら、人間の知能は他の動物を侵食し超えるものではなく、共生するためのものかもしれません。
他の動物の力を引き出し、自分たちの力へと変えていく。
動物との距離感を大切にされるSさんのハチミツは、自然の香りを漂わせるプロの味でした。
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