100人のプロの48人目のプロ‼️
歴史ある食べ物がなぜ歴史を持つのか…。
日本での牛乳の歴史は聖徳太子の時代まで遡り…
チョコレートの歴史は5000年以上の年月を遡ります。
牛乳は「薬」として扱われていましたが、チョコレートも昔から「薬」としての役割を担っていました。
時代は大分進み。
1428年頃から始まったアステカ王国では
「カカオは神秘的な力を持つもの」
と言われていたそうです。
5000年前は今のエクアドル周辺で収穫されていました。
チョコレートの原料となるカカオが世界に広がったのは大航海時代、スペインによってヨーロッパに持ち込まれたことが一つのきっかけ。
カカオの樹は平均気温27度以上の高温多湿でありながら、日差しに弱いという特徴があります。
「神秘的な力」と言われていたカカオは、不老長寿や美肌効果としての効果があるとされ、より食しやすい形へと進化を遂げていきます。
スーパーに行けば簡単に手に入るチョコレート。
効能があっただけに…
生産地が限定されているだけに…
ヨーロッパからはターゲットにされてきた歴史があります。
生産コストをなるべく下げ、高級品として高値での取引。
その影響は生産国が受けていきます。
生産国には生産品をカカオに限定し、付加価値は支配している国で。
植民地支配されていた国は、独立後も物流の関係性を改善することはなかなか。
未だにカカオを安価で取引されている国もあるといいます。
そんな中、カカオを正規の価格で仕入れ、食べる人も生産する人も、みんなが幸せになることを理想に、お店をやられている方がいます。
「クラフトチョコレートのプロ」Iさん。
Iさんのチョコレートは低糖質でありながら充分に甘さがあります。
甘さの秘訣は酵素。
丁寧につくられていることを実感するチョコレートと共に、丁寧に言葉を紡いだ「エール」を頂きました。
◯子どもの頃の夢
「旅行の添乗員」
ご実家は贈答品を扱うお店。
気持ちを贈るのに休みはなく、ご家族で旅行をすることは年に1度。
「その反動だった」
とIさんのお母様はおっしゃいました。
Iさんはボーナスのお金は全て旅行に費やしていたそうです。
海外旅行も、国内旅行も。
色んな所へ。
自分以外にも魅力的な所へ連れて行ってあげたい。
そんな思いがありました。
◯今の仕事に就いたきっかけ
「後悔を残さないために」
結婚をして子どもが生まれると、自分自身の興味は「旅行」から「食」へと変わっていきます。
子どもにとって良いものを食べさせてあげたい。
食が細くても、少しの食べ物でも、栄養あるものを。
そんな思いになっていきます。
嵐のようだったコロナ禍は、人と人との繋がりを軽薄なものにさせました。
冠婚葬祭など、皆が集まり語らい合う場は突如として失われ、離れて暮らす者たちの距離を更に遠ざけます。
贈答品は心を贈るもの。
その風習も次第に減っていきました。
Iさんはご実家の経営スタイルを模索します。
何かできないか!?
お母様からは常に言われます。
「始めるなら40代」
自信を持ってそう発言するお母様もまた、40代でご実家の雑貨屋さんを今のスタイルに変えたとか。
お母様が娘であるIさんの背中を押していきます。
そんな時に出会う「フルーツ酵素」。
娘にいいものなのでは!?
そう感じ、説明会に行ってみます。
そこでは、Iさんの知的好奇心に電気が走ります。
知りたかったことを知り、新たな気づきの連続。
知っただけでなく、実際に自分で酵素をつくってみます。
よく
「みかんのあの白い薄皮に栄養があるんだよ」
と聞きます。
その通りらしく、Iさんのフルーツ酵素はフルーツを丸ごと使用していきます。
説明会で学んで、試してみた酵素を飲み続けてみると、なかなか体の調子がいい。
「いい」
と思ったものは共有したいと考え…
ご家族にも提供していきます。
酵素をチョコに混ぜると、カカオの苦味を分解していく効果があることも知ります。
古来より薬としての効能があったチョコレートと、フルーツの栄養素が凝縮された酵素が混ざれば、これ以上ないほどのものに。
せっかくつくるのなら…
チョコも「フェアトレード」で。
フルーツも皮ごと使用しても問題ないものを。
自分がプレゼントされるのなら、全てにこだわったものが欲しい。
模索し続けた自分に答えが出始めました。
「自分がクラフトチョコレートをつくって、みんなに提供したい」
迷いはありました。
ご家族も初めは反対していました。
けど…
ご家族には丁寧に。丁寧に。
自分の考えを押し付けるのではなく、理解してもうために説明をしていきます。
「私のところでしか買えないもの」を提供できるようにするために。
Iさんの挑戦がご家族の心を解きほぐしていきます。
◯今、自由に選べるとしたら何の仕事をしてみたいか
「看護師」
「安定した職種」として候補に挙げた看護師。
でも冷静に。
自分自身の心に問いかけます。
今、自分自身が欲しているもの。
仕事をしていく上で必要だと感じているもの。
それが「体についての知識」でした。
意識しているようで、無意識に。
仕事をしている時だけのようで、毎日。
皆の健康のことを考えていました。
◯落ち込んだ時、どう乗り切るか
「酵素を取り入れる」
Iさんは落ち込むタイプだそうです。
そう言う時は時間が経つのを待つ…そうやって乗り越えてきたそうですが、今は違います。
心が沈んだ時には、栄養を取り入れます。
栄養が足りていないから、落ち込む。
だから栄養を。
その栄養はIさんにとって「酵素」。
自分で心込めてつくった「酵素」は、体だけでなく心も満たしてくれます。
◯発達個性を持った子どもたちへのエール
「何でも挑戦していくことが大切。
やって後悔より、やらないで後悔は残念。
やってダメだったらまた次をやればいい」
Iさん自身、お店をやること自体を「諦めてしまおう」と思ったりもしました。
本当に諦めた時の自分を想像してみます。
自分がやってみようと思っていたことを、他の誰かがやっていたら?
その時、その瞬間はどんな気持ちになっていくのでしょう?
どんな結果を生み出すのか!?
知らないからこそ、および腰になってしまいます。
諦めていくことは簡単なようで…
もったいない。
◯インタビューをして
Iさんはファストフードも好きで、ポテトチップスも大好きだそうです。
よく「健康によくない」と言われるものですが、Iさんがそれ以上に大切に思っているものは
「心の健康」
食べたいと思っているものを我慢し、そのことでストレスが溜まっていては、何が健康なのか分からなくなってしまいます。
Iさんは自分自身の考えを「全て正しい」とは決して主張しません。
あくまでも
「一つの選択肢」
とおっしゃいます。
脂っこいものを食べ続けたら体が疲れてきてしまうので、たまには「デトックス」というくらいの考え方で受け止めてほしいと。
Iさんならではの柔軟な考え方。
完全に振り切ってしまうのではなく、どちらのいい所も取り入れていく柔軟さ。
そうした姿勢が、知識のなかった私たちにはとても心地よくて。
インタビューも終盤。
私たちの「ハーフの手前展」で来て頂いた方に、Iさんのチョコを食べて頂きたいと思い、ショーケースを見に行きました。
Iさんから一つ一つの商品について、丁寧に説明を受けます。
左に目線をやると、見覚えのあるカラフルな銀紙で包まれた丸いチョコが。
「これは…。」
リンツのリンドール。
私は
「Iさんらしいですね。他の選択肢を置くというのがステキです」
と声にしました。
確かに、Iさんのお人柄がそこには表現されているのかもしれません。
しかし、私の知識が浅かった。
リンツの創業者「ロドルフ・リンツ」さんは「チョコの4大革命」の一人。
今までの硬くて苦いものだったチョコレートを、繊細かつ滑らかで今までにない美味しいチョコをつくり出しました。
それは一説によれば意図せず完成したものらしく…
チョコレートを練る機械を、金曜日の夜に電源を切り忘れてしまい、月曜日に見に行ったら完成していたとか。
常に「良いものを」と努力し続けた方のミラクル。
新しい時代を創り出したチョコレート。
Iさんもまた、そんな新時代を切り開いていくに違いありません。
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